イベルメクチンのコロナへの効果や副作用は?いつから使用できるか!
西村経済財政再生担当大臣は2020年5月6日、新型コロナウィルス治療薬候補「イベルメクチン」を研究する北里大を視察しました。
安倍晋三首相も高い期待感を示しているというイベルメクチンはノーベル賞受賞者の大村教授が発見した物質を基に開発されました。
米ユタ大などの報告だと、新型コロナ感染者の死亡率が6分の1ほどに下がったとのことです。
アビガン、レムデシビルの承認手続きが進んでいますが、イベルメクチンにも期待したいところです。
イベルメクチンのコロナへの効果や副作用は?いつから使用できるか!についてまとめていきます。
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イベルメクチンって何?
イベルメクチンは、ノーベル賞受賞者の大村博士が静岡県のゴルフ場で見つけた土壌のなかにある新種の放線菌を基に、米製薬会社メルクと共同研究で開発した腸管糞線虫症の経口駆虫薬、疥癬、毛包虫症の治療薬です。
イベルメクチンは、当初、寄生虫を駆除するための動物用の薬でした。
その後、人にも効果があることがわかり、特に失明を引き起こすオンコセルカ症という感染症の治療薬として絶大な効果を上げています。
特に、イベルメクチンは、アフリカやアジアに広がる寄生虫が原因の熱帯感染症の特効薬として使用されています。
ちょっとわかりづらいかもしれませんので一言でいうと、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智氏が日本の静岡県で採取した土壌から発見した「放線菌」と呼ばれる新種の細菌で開発した寄生虫による感染症治療薬がイベルメクチンです。
新型コロナ患者約1400人を対象とした米ユタ大のチームの研究では、別の治療を受けた患者の死亡率が8.5%だったのに対し、イベルメクチンを投与した場合は1.4%だったとのことです。
そして、イベルメクチンの治療効果は症状の軽重に関わらず期待できるとのことです。
オーストラリアでは、培養細胞への感染実験では、イベルメクチンの1回投与で、ウイルス量が48時間以内に5000分の1になったとの報告もあり、その効果が期待されています。
また、同じくオーストラリア・モナッシュ大学生医学発見研究所のカイリー・ワーグスタフ博士は最近、1回量のイベルメクチンで新型コロナウイルスの複製を48時間以内に死滅させるとの実験結果を発表しています。
今回臨床に進み、そのの結果の裏付けを取って承認へ進んでいく方向です。
また、イベルメクチンは原料を中国に依存しており、国内に供給体制をつくることが課題とも報じられています。
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イベルメクチンのコロナへの効果や副作用は?いつから使用できる?
イベルメクチンは途上国などで既に広く投与されているため、副作用についての応報が豊富という利点があります。
効果については先ほどのユタ大やオーストラリアの研究の通りです。
アビガン、レムデシビル同様、大きな効果が期待されています。
副作用については、殆どないと報じられています。
しかし、アビガン同様、妊娠中の投与に関する安全性は確立していないとのこと。
また、動物実験で催奇形性が認められていると書かれており、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。
そして体重15kg未満の小児に対する安全性は確立していないとも書かれています。
専門家でないため、詳細については、添付文書でご確認ください。(イベルメクチン(ストロメクトール)の添付文書情報)
治療に効果があって一部の対象者を除き、副作用が殆どないらしいということで、関心が高まってきているわけです。
いつから使用できるかということについては、現時点では不明ですが、アビガン、レムデシビルが2020年5月中には承認できる見通しです。
イベルメクチンについても安倍晋三首相も高い関心をよせていることから、政府が強く承認を働きかけると思われるので数か月以内には承認される可能性が高いのではないでしょうか。
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アビガン・レムデシビルとの違いなどは?
現在治療薬として候補が上がっているのが、ヒドロキシクロロキン、レムデジビル、アビガン、イベルメクチンが有名なところです。
違いが気になりますので、それぞれについて説明していきます。
ヒドロキシクロロキン
ヒドロキシクロロキンはマラリアに対する薬であり、マラリアの治療やマラリアの予防のために用いられています。
そのほかにも、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチの治療にも使われています。
ヒドロキシクロロキンの現状
2020年3月30日にセントピーターズ大学病院の研究で新型コロナウイルスに対して有効であるというデータが出ましたが、4月29日にマサチューセッツ大学病院からの研究でヒドロキシクロロキンは試験管内の細胞レベルでも人に対してでも有効性が示されないことがわかりました。
また、5月1日 JAMAという権威ある米国医師会雑誌からマサチューセッツ大学の研究でヒドロキシクロロキンを使用した患者様の心電図でQT延長が有意に認められると発表されました。
心電図でのQT延長とは失神や突然死の原因となると言われています。
これらのことからしてもヒドロキシクロロキンは新型コロナウイルスに対しての有効性が示されるのは難しいのではないかと思われます。
レムデシビル
レムデシビルはエボラ出血熱の治療に有効とされているお薬。
現時点では日本では使われてはいません。
レムデシビルも新型コロナウイルスに有効ではないかと注目を浴びていますね。
レムデシビルの現状
2020年4月23日にドイツのケルン大学病院から出された論文にレムデシビルが新型コロナウイルスに有効であったというデータも出ています。
他にも様々な研究で有効だというデータは示されていますが、それらの研究がランダム化比較試験(患者様をランダムに使う群と使わない群に振り分け検証する)ではないため確実に有効であるというデータは出ていないそうです。
また、5月4日首相会見にて米国で承認されたレムデシビルを国内で使用出来るようにしたいとの意見が出ました。
アメリカでは既に承認されており、日本でも間もなく承認される予定です。
レムデシビルについてはレムデシビルとは?その効果や副作用とアビガンなどとの違いについてまとめてみた!という記事で詳しくまとめていますので、気になる方は読んでみてください。
イベルメクチン
イベルメクチンとは寄生虫に対する薬です。
イベルメクチンの現状
細胞培養レベルでは試験管内で新型コロナウイルスをやっつけることに成功しています。。
しかし、まだ研究の初期段階であり、FDA(アメリカ食品医薬品局)はこれをまだ人で使用することはダメだと警告していますが、もうすでに使用しているところがあるり有効性は出ているようです。
アビガン
アビガン(一般名ファビピラビル)とは、日本の富士フィルム社で開発された抗インフルエンザ薬です。
著名人が新型コロナウイルスで入院した際に有効性があったとコメントして話題になりました。
アビガンの現状
2020年3月の時点で中国の中南大学で試験管内で有効であるというデータが出ています。
そして、深圳市第三人民医院で人に使用して有効であったというデータも出ていますが、これもランダム化比較試験ではないため、まだ現時点でははっきりと有効であるといえません。
ただ、こちらのアビガンも5月4日の首相の会見にて5月中の国内での使用の承認を目指すとのことでした。
まだはっきり有効であるとのデータは出ておりませんが、この非常事態に副作用のデメリットを考えても使用した方がメリットが高いと判断したのでしょう。
アビガンもレムデシビル同様、コロナへの効果に期待したいところです。
アビガンについては詳しくアビガン(ファビピラビル)でコロナ撃退!効果・信憑性・副作用をまとめてみた!という記事にまとめていますので良かったら読んでみてください。
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まとめ
イベルメクチンのコロナへの効果や副作用は?いつから使用できるか!というテーマで纏めてきました。
オーストラリアや米ユタ大の研究結果を読むとイベルメクチンの効果が期待できそうですね。
アビガン同様、子供や妊婦の方への投与にはリスクがありそうですが、この治療薬は長く実際に使用されてきたという点で、早期の承認も期待できます。
新型コロナウィルス収束に向けてイベルメクチンの承認に期待しましょう。